現代の賢人たち

朝5時に目覚ましなしで起きる方法──早起きの本質は“朝”じゃない。【マーク・マンソン】

“朝活”じゃなく、“夜活”を整えろ。

「朝5時に起きて、氷水に顔を突っ込めばいい」

──そんなモーニングルーティン、SNSで見かけたことはありませんか?

コールドシャワー、瞑想、ジャーナル、HIITトレーニング。
朝から気合いでフルスロットル。今の時代、“正しい朝”にはチェックリストがあるようにさえ思えます。

でも、本当にそれで人生は変わるのか?

マーク・マンソンは、鋭く切り込みます。

「早起きは簡単だ。拷問のような目覚ましや氷水なんて必要ない。」

──答えは、すべて“夜”にある。

早起きに魔法はありません。
寝る前にスマホを見て、遅くまでSNSに時間を溶かし、頭がギラついたままベッドに入れば、
どれだけ強い意志を持っていても、朝は地獄になります。

むしろ、“早起きできない朝”とは、
“夜の自分”が残したツケを、“朝の自分”が支払っているだけ。

朝が変わるには、夜を変えるしかないんです。


早起きの本質は「何時に起きるか」ではなく、「どう眠るか」

たとえば、歴史に名を残す早起きの達人──ベンジャミン・フランクリン。

彼の言葉「早寝早起きは人を健康に、裕福に、そして賢くする」はあまりにも有名ですが、
彼が実践していたのは、“気合いの朝活”ではなく、徹底的なスケジューリングと夜の自己管理”でした。

つまり、彼の成功は「5時に起きる」ことではなく、前日の21時に「寝る覚悟」を持てたことにあった。

僕らはつい、「起きること」にばかり意識を向けがちです。
でも、本当に整えるべきは「夜をどう締めくくるか」。


朝を制する者は、夜を制している。

SNSでバズっているような、見せかけのモーニングルーティンに踊らされなくていい。

あなたの成功は、氷水や目覚ましの回数で決まるわけじゃない。
静かな夜の選択が、すべてを変える。

「早起きができない」のではなく、
「夜をコントロールできていない」だけかもしれません。

良質な睡眠こそ、最強の成功戦略

ナポレオンは言いました。

「6時間の睡眠で足りる」

でも彼は最終的に孤島で寂しく死んでいます(笑)。
たぶん、もう少し寝ていれば違った未来があったかもしれません

今や科学的には明確です。
「何時間寝るか」よりも、「深く、しっかり寝る」ことが、人生すべての土台。

記憶力、集中力、意思決定、免疫力、感情の安定、体脂肪率、老化…
ぜんぶ、寝てる間に決まる。

睡眠は、自己啓発よりも、朝活よりも、氷水チャレンジよりも、
“非交渉的”な土台なんです。


 1. 睡眠は「脳のメンテナンス」タイム

脳科学では、睡眠中に「グリンパティックシステム(脳内のゴミ収集機能)」が作動すると言われています。
つまり、寝ないというのは、「翌日、脳にゴミを持ち越す」という選択。

寝てない=頭が回らない、ではなく
寝てない=脳が“詰まってる”状態。

1日頑張ったあなたの脳、ちゃんと寝かせて、掃除してあげてますか?


 2. 睡眠は「免疫とメンタル」の司令塔

睡眠不足が続くと、免疫力は30%以上低下し、
うつ症状のリスクも大幅に上がることが研究でわかっています。

つまり、

「寝ないで頑張る」は、“自爆型の努力”

しかも皮肉なことに、寝不足だと「自分の疲れにすら気づけなくなる」んです。

メンタルが沈むのは、気合いが足りないんじゃない。
ただ、“眠れてないだけ”かもしれません。


 3. 朝5時に起きたいなら、21時に「明日を始める」

早起きとは、「何時に目覚めるか」じゃない。
「何時に次の日を始めるか」です。

夜21時に、スマホを置き、部屋を暗くし、心を静かにする。
それは「今日を終える儀式」であり、
同時に「明日を迎える支度」でもあります。

ブライアン・ジョンソンも、1,000項目以上ある健康管理の中で「最重要は睡眠」だと断言しています。


 朝型人間は、夜に勝っている

「朝が弱いんです」という人の多くは、
実は“夜に負けている”だけ。

  • SNSをだらだら見て寝落ちしてないか?

  • 寝る直前までブルーライトにさらされていないか?

  • 翌日の不安を寝る前に引きずっていないか?

それを整えるだけで、
あなたの“5時起き”は自然と実現します

Column:〝睡眠ファースト〟を徹底する男——ブライアン・ジョンソン

・元決済スタートアップ「Braintree/Venmo」を800 億円で売却したシリアルアントレプレナー。
・現在は“ブループリント計画”と称し、 年に2 億円以上 を自分の体に投資。医学者・エンジニア80名とともに《18歳の生理学的指標》を目指して実験する“リアル人体プロジェクト”。
・毎日70種類以上のサプリと完全設計食を摂り、心拍・血糖・脳波など 200項目超をリアルタイム計測
・そんな彼が 「最重要 KPI は睡眠」 と公言。

「どれほど高性能なサプリやウェアラブルも、深い睡眠には敵わない」


・平均就床 20:30、起床 5:00。室温・光量・音・ CO₂ 濃度まで自動制御した“スリープ・ラボ”で8 時間の良質な眠りを死守。

── 1 日の 3 分の 1 を支配できなければ、残り 3 分の 2 も最適化できない。
「睡眠こそ最もリターンの大きい投資」という彼の哲学は、私たち凡人の早起き習慣にもそのまま当てはまる。

夜を制す者が、朝を制す

――“夜の快楽”に勝つためのリアルなロードマップ

結論: 朝5時にスッと起きる人は、21時の時点で勝負が終わっています。
寝ているあいだに魔法が起こるわけではなく、寝る前8時間の設計図がそのまま翌朝の体調と集中力になる──たったそれだけの話です。

1. つい夜ふかししてしまう3大トリガー

トリガーなぜ厄介か典型パターン
① スマホ依存ドーパミンを無限に供給。寝床=SNSタイムになりやすい「あと1本だけ…」で気づけば深夜1時
② 視覚刺激(ブルーライト & 強照明)メラトニン分泌を抑制し“脳を昼間モード”に固定仕事終わりに明るいリビング+派手なゲーム画面
③ 高カロリー飲食 & アルコール血糖&体温上昇で眠気ブロック、利尿で夜間覚醒21時から UberEats+晩酌──“寝酒”でむしろ眠れない

☠️ ここが現代の落とし穴

早起き How-To だけ読んで挫折する理由は「夜の自動ドア」が全開だから。 だからこそ、悪習慣の“入口”を塞ぎ、代替ルートを作る必要があります。


2. 〈実践編〉“理想に近づく”ための5つの処方箋

🔧 さらにブーストしたい人へ——3段階オプション

  1. Bronze:スマホを寝室から追放するだけ

  2. Silver:20時以降、照明をオレンジ色に固定+読書タイム導入

  3. Gold:平日5日間は“デジタル日没”(20時以降ネット遮断)+就寝前の瞑想5分
    どれか1つでいい。「できる範囲」から始めて連勝体験を積むのがコツです。


3. 夜を制す3つのメンタル・スイッチ

  1. “快楽は翌日に後払い”マインド

    • 深夜の動画1本=翌朝の集中力-20%と認識する。

  2. 睡眠を“予約制資産”として扱う

    • 21時の予定は「10 万円のVIP会食」と同格。簡単にドタキャンしない。

  3. 代替快楽リストを常備

    • 映画欲→午前中に見る。<br> - ゲーム欲→週末昼に“解禁ブロック”を設定。<br>「禁止」ではなく「移動」思考でストレスを削る。

早起き競争の勝敗は “枕に頭を乗せる瞬間” で決まる。
夜のスマホ 30 分が、翌日のクリエイティブ 3 時間を奪う。

夜 = ライフハックのプライムタイム

「何をやるか」よりも「何をやらないか」を決め、
21:00 の自分にバトンを渡せば、5:00 の自分が最強になる。

朝5時に起きる価値はあるのか?

この問いに対して、マーク・マンソンははっきりと言います。

「人によっては、朝5時起きなんてバカげてる。」

20代の彼は、深夜4時に寝て、昼の12時に起きるという生活をしていたそうです。
でも、それでも本を出し、サイトを成長させ、キャリアを築いてきた。

いま彼が朝型になったのは、年齢や価値観の変化によるものであって、
「朝型こそ正義」という信仰に従ったからではありません。

むしろ彼は言います。

「本当に難しいのは、朝早く起きることじゃない。夜の誘惑を制限することだ。」

Netflix、スマホ、ゲーム、ショート動画の無限スクロール──
深夜の快楽にどう折り合いをつけるか。
そこに、自分との“本当の勝負”があるのかもしれません。

僕自身、以前は昼夜逆転の生活を続けていた時期がありました。
昼に起きて夜に活動し、気づけば朝方にようやく眠くなる日々。

当時は自己嫌悪も感じていたけれど、
振り返ってみると、それも自分にとっては必要な時期だったと思えます。

そしていま、早起きの習慣を少しずつ取り戻しているのは、
「もっと整った日々を送りたい」という自然な欲求から。

でも、これだけは伝えておきたい。

生活リズムは、他人と比べるものではなく、自分で選ぶもの。

夜勤がある人、介護や育児で不規則になる人、
どうしても深夜に集中力が高まる人だっている。

朝5時が「理想」じゃなくてもいい。

たとえば、「就寝前の3時間だけスマホを見ない」
それだけでも、生活の質は劇的に変わっていく。


自分の“今”に最適な生活を選ぼう

「朝5時に起きること」は、誰でも“やろうと思えば”できる。

でも、すべきかどうかは、まったくの別問題です。

重要なのは、こう問いかけること:

  • 自分は 朝型なのか?それとも 夜型か?

  • 今の自分の人生フェーズで、何を一番大事にしたいのか?

  • 睡眠を削ってまで得たいものは、本当に自分の価値観と一致しているか?

マンソンがこの動画で伝えたかったのは、
「早起きを推奨する」ことではなく、

“今の自分に合った最適なリズムを、意識的に選ぼう”というメッセージ。

不眠に悩んでいる人もいれば、
夜にこそ創造力が花開く人もいる。

そんな多様性を否定せず、寄り添うように、
僕らは自分の生活を整えていけたらいい。

早起きという言葉に、無理に合わせる必要はない。

  • 「今日は寝る前のスマホを我慢できた」

  • 「ちょっとだけ、寝るのが早くなった」

そんな小さな選択を、自分の意思で選んだと思えること。
それが、人生の主導権を少しずつ取り戻すということなんじゃないかと思います。

「朝型になること」がゴールじゃない

朝5時に自然に起きるには、
“夜9時に眠れる状態をつくること”がすべてです。

コールドシャワーや根性論は必要ありません。
必要なのは、規則正しい夜のルーティンと、良質な睡眠

睡眠は、健康・集中力・免疫・感情・人間関係──
すべての土台となる、最強の“成功戦略”です。

でも、それは「誰もが朝型になるべき」という話ではありません。

夜勤のある人、夜に力を発揮する人、今は休息を優先すべきフェーズの人。
人それぞれ、違うリズムの中でベストを尽くしているのです。

大事なのは、自分のリズムを“他人と比べる”ことではなく、
自分でデザインすること。

  • 何時に起きるか

  • 何時に眠るか

  • どんな夜を過ごすか

そのすべてを、“あなた自身の価値観”に委ねていい。

眠る時間こそ、人生の質を左右する「選択」なのです。

睡眠についての名著と最新の論文をもとに書いてます!
こちらもご覧ください。

【参考動画】

  • この記事を書いた人

まっきー

「マキログ」は、身体を鍛え、心を整え、思考を磨く——そんな“日々の実験”を記録するブログです。 本の要約や海外インフルエンサーの翻訳を通して、内側から人生を整えていく感覚を綴っています。

-現代の賢人たち