いつでも、人生の主人公は自分だ――
そう思って生きてきたけれど、社会に出たとたん、自分が“脇役”のように感じる瞬間が増えていった。
誰かの期待に応えようとしたり、空気を読んで発言を控えたり。
気づけば、自分の人生なのに“観客席”から眺めているような感覚に襲われていた。
そんなとき、あるYouTuberの動画で『タフティ・ザ・プリーステス』という奇妙なタイトルの本を知った。
最近はもう“引き寄せ本”なんて卒業したつもりだったけど、
なぜかこれは――「読まなきゃ」と思った。
実際に手に取ってみて、よかったと思っている。
ただし、断っておくとタフティというキャラは好きじゃない。
口調もきついし、偉そうだし、ちょっと怖い。笑
けれど、その違和感の奥に、とてつもない真実が潜んでいた。
この本に書かれていたのは、いわゆる“願えば叶う”なんて甘い話ではない。
現実はフレームの連続であり、自分が監督として選び直せる――
まるで映画のように、編集可能な人生。
この記事では、そんな『タフティ・ザ・プリーステス』の全貌を、
どこよりもわかりやすく、かつ実践的にまとめていきます。
あなたがもし今、「自分の人生を生きていない」と感じているなら――
この本が、そしてこの記事が、“フィルムを書き換える”きっかけになるかもしれません。
目次
- 1 Lesson 1|Two Screens― あなたは、どちらのスクリーンを見て生きていますか?
- 2 Lesson 2|Walking in Your Dream― あなたの人生は、“すでに撮影された映画”の中にある
- 3 Lesson 3|Welcome to ‘Reality’― 創るな、照らせ。それが現実のルールだ。
- 4 Lesson 4|Observing Consciousness― 「自分を見ている自分」が、人生の編集室に入る鍵
- 5 Lesson 5|Constructing Reality― 未来のフレームは「意図の光」で点灯する
- 6 Lesson 6|The Braid(Plait)― 三つ編み。それは、現実のスイッチである。
- 7 Lesson 7|How to Use the Plait― 現実を点灯させる4ステップ
- 8 “紙人間”から抜け出すための7つのレッスン
Lesson 1|Two Screens― あなたは、どちらのスクリーンを見て生きていますか?
“When attention drifts entirely to one screen, you fall asleep.”
「内と外」どちらかに偏れば、あなたは“眠っている”
タフティが最初に伝えてくるのは、私たちの意識は常に「二枚のスクリーン」を見ているということ。
それはまるで、映画館で同時に2本の作品が流れているような感覚だ。
1つは「内的スクリーン」。
これはあなたの頭の中にある、思考・感情・記憶・想像・セルフトーク。
もう1つは「外的スクリーン」。
これは目の前に広がる現実世界。景色、対話、動作、スマホの画面までも含む。
タフティは言う。
どちらか一方のスクリーンに意識が偏ると、人は“眠ってしまう”のだと。
たとえば──
電車の中で、ずっと昨日の失敗を思い返している。
会話中、相手の表情も空気も感じず「自分の考え」に没頭している。
それは、内的スクリーンに意識が埋もれている状態。
まるで夢の中に沈んでいるような、“現実との接点を失った自分”だ。
逆に──
外側の出来事に振り回され、他人の言葉に反応し続けている。
感情や違和感に気づかず、ただ日々を“こなしている”。
それは、外的スクリーンだけを見ている状態。
そのときあなたは、**ただの“紙人間”**になってしまっている。
タフティが教える“目覚めた状態”とは──
この二枚のスクリーンを、同時に見ている状態。
たとえば:
誰かと話しながら、自分の反応にも気づいている
現実を観察しつつ、内面の声も「今、こう感じてるな」と気づいている
この意識の“分割”が起きたとき、あなたは
「自分の人生を自分の手に取り戻す」状態に入る。
🧭 今日からの活かし方(実践トレーニング)
✔︎ 1日3回、立ち止まって問いかけてみる:
→「今、私はどちらのスクリーンを見ている?」✔︎ 会話中に一瞬だけ、自分を内側から見てみる:
→「今、何を考えてる?どんな感情になってる?」✔︎ 通勤中・歩行中に練習する:「前を見ながら、内面も観る」同時観察モード
この練習こそが、“目覚めのベース”を築く。
そしてこの状態こそが、後に学ぶ「現実を編集する力」の入口となる。
Lesson 2|Walking in Your Dream― あなたの人生は、“すでに撮影された映画”の中にある
“You are strolling through a movie that has already been filmed.”
未来は「創るもの」ではなく、「すでにあるフレーム」から選ぶもの
この章でタフティが語るのは、人生そのものに対する根本的な捉え方の転換だ。
私たちの人生は、1秒ごとに新たに“創られている”わけではない。
むしろ──「すでに撮影された映画の中を、私たちは歩いている」
ここで言う“映画”とは、無限に存在している可能性のフレーム(=シーン)のこと。
あなたが“未来”だと思っているものは、どれも既に存在していて、
あとはどのシーンを選び、そこに意識の光を当てるか──
つまり“点灯”させるかどうか、だけが問われている。
この考え方は、一般的な「引き寄せの法則」とは一線を画す。
引き寄せは、“未来を創る”という発想が基本
タフティは、“未来を選んで点灯する”というスタンスを取る
前者は「願う」「叶える」方向性。
後者は「選ぶ」「照らす」方向性。
この違いは非常に大きい。
たとえば──
あなたが「海外で働く自分」を想像したとする。
その未来は、どこか“遠い場所にある願望”ではない。
すでに存在しているフレームの1つだ。
あとは、それを「現実のシーンとして点灯させる」だけ。
そしてそのスイッチは、あなたの注意と意図にある。
🧭 今日からの活かし方(実践トレーニング)
✔︎ 今日叶えたい1つの小さな未来を“ワンシーン”で思い浮かべよう
例:会議で堂々と話して拍手されている/帰宅後に安心して笑っている自分✔︎ それを“願望”として見るのではなく、「もう撮影されている映像」として受け止める
✔︎ 意識の中で、「これを点灯する」と宣言してから行動を始めてみる
あなたの人生は、創作ではなく編集である。
どの未来フレームに光を当てるか? それだけが問われている。
Lesson 3|Welcome to ‘Reality’― 創るな、照らせ。それが現実のルールだ。
“Reality is not created. It is selected and lit.”
“引き寄せる”時代は終わり。“点灯”が本当の現実操作
この章でタフティは、
これまでの「引き寄せる」「頑張って願う」発想に、明確なNOを突きつけます。
現実は、創るものではない。
選び、そして“照らす”ものなのだ。
この「照らす」という言葉が、本書におけるキーワード。
では、どういうことか?
現実とは、あなたの意識が“どこにライトを当てているか”によって決まる。
無数に存在する可能性の未来フレームの中から、
意識のスポットライトを当てたものだけが、現実として“浮かび上がる”のです。
例えるなら──
あなたの人生は、舞台上に並ぶ無数の場面セット。
その中から、「今この場面にスポットライトを」と選んだ瞬間に、
俳優(=現実の出来事)が動き出す、という仕組みです。
そして、ここがポイント。
願うとか、祈るとか、執着するのではない。
「これは当然の未来だ」という、
落ち着いた確信とともに照らすこと。
これが、“外的意図”と共鳴する姿勢なのです。
🧭 今日からの活かし方(実践トレーニング)
✔︎ 叶えたい未来を「映像」にする(例:営業で契約書にサインをもらっている姿)
✔︎ それを“欲しがる”のではなく、「これは当然、来る場面」として思い出す
✔︎ 1日3回、目を閉じて5秒間、意識の光をそこに当てる
それは“引き寄せ”ではなく、“選んで照らす”という新しい現実操作の始まり。
Lesson 4|Observing Consciousness― 「自分を見ている自分」が、人生の編集室に入る鍵
“I see myself and I see reality.”
自分を見ている意識。それが“監督席”に戻る方法
この章で語られるのは、「自己観察意識(self-observing consciousness)」の力。
つまり、“考えている自分”を、もう1人の自分が見つめる視点のことです。
私たちは普段、感情に反応し、思考に飲み込まれています。
怒られたらムッとする
予定が狂ったらイライラする
SNSで誰かを羨んで落ち込む
それはまるで、テレビのチャンネルを勝手に変えられているような状態。
あなたは“視聴者”であり、“主導権”を奪われている。
ではどうすればいいのか?
「私は自分を見ている。そして現実を見ている」
この一言が、あなたを“紙人間”から“編集者”に戻すスイッチになります。
まるで、映画の中に入り込んでいた俳優が、
急にセットの裏から「これは演技だったんだ」と気づくような感覚。
自分を一歩引いた視点で見たとき、
感情は反応ではなく“素材”になり、行動には“選択”の余地が生まれる。
タフティはこう教えます。
目覚めた者だけが、現実を編集できる。
そして目覚めとは、ただ「自分を見ている」ことに他ならない。
🧭 今日からの活かし方(実践トレーニング)
✔︎ 感情が大きく動いたとき、「私はそれを見ているか?」と問いかけてみる
✔︎ 朝・昼・夜に1回、「私は自分を見ている。そして現実を見ている」と口に出して言う
✔︎ 鏡の前でそれを唱えてみると、驚くほど“主観”から抜けられる
この一言が、現実の「自動再生」から「意図的編集」への一歩になる。
Lesson 5|Constructing Reality― 未来のフレームは「意図の光」で点灯する
“A future frame is illuminated by outer intention.”
現実を動かすのは「願い」ではなく「外的意図」
この章では、タフティ思想の中でも特に重要なキーワードが登場します。
それが、「外的意図(outer intention)」という力です。
これまで私たちは、こう考えてきました。
現実を変えるには、強く願い、努力して、行動しなければならない。
でもタフティは言います。
「それは、内的意図。つまり、自分の力だけで現実を押し動かそうとする“内側の圧力”だ」と。
では、外的意図とは何か?
それは、「世界そのものが、あなたの意図を受け取って動いてくれる力」のこと。
つまり、あなたが現実を“グイグイ引っ張る”のではなく、
“照らして委ねる”ことで、世界があなたを運んでくれる流れが生まれる。
その力が作動する鍵こそ、次の概念──
「三つ編み(プラット)」=意図のスイッチです。
🧭 今日からの活かし方
✔︎ 自分の願望を1つ「未来のワンシーン」に変換してみる(例:喜びを分かち合う瞬間)
✔︎ それを「世界が喜んで用意してくれる」と信じて、強く“願わず”に照らす
✔︎ 三つ編みを使って、背中からそのフレームへ“光を送る”イメージを練習する
外的意図は「手放した意図」によってのみ、動き出す。
Lesson 6|The Braid(Plait)― 三つ編み。それは、現実のスイッチである。
“Feel the plait lift away from the spine — this is the switch.”
“意図の光”は、背中から放たれる
この章で初めて登場するのが、
「三つ編み(Plait)」という意図操作の“身体的スイッチ”。
それは、肩甲骨の間から背骨にかけて、外側に浮き上がるような位置にある感覚器官です。
ここが本書の面白いところ。
タフティは現実を操作する中心が“思考”にあるとは言いません。
むしろ、「意図は背中から出る」とさえ言い切ります。
意図は考えるものではなく、“感じて放つもの”。
そしてそれは、プラットを通して光となり、未来のフレームへと届く。
この感覚を身につけられるかどうかが、
紙人間(=自動反応で動く人)と、生きた人物(=意識的に選ぶ人)の分かれ道なのです。
🧭 今日からの活かし方
✔︎ 朝、1分だけ背中に意識を向けてみる
→ 「肩甲骨の間から意識が後ろへ伸びていく」感覚を持ってみる✔︎ はっきり感じられなくてもOK
→ 「意識して向けようとすること」そのものがスイッチになる
プラットは“確信”ではなく、“意図の微熱”で目覚める。
Lesson 7|How to Use the Plait― 現実を点灯させる4ステップ
“Focus on the plait, imagine the scene, and release it.”
三つ編みを使った「現実点灯」の手順
ここでは、三つ編みを使って未来のフレームを点灯させる4ステップが明快に提示されます。
これが、タフティ流・現実編集の基本フォーマットです。
✅ タフティ式「点灯の4ステップ」
三つ編みに意識を向ける
背中の“光源”に、そっと意識を集める未来のワンシーンを映像で思い描く
例:目標達成の瞬間、安心して眠る夜、誰かと笑い合うシーンその映像に三つ編みから“光を送る”
頭ではなく、背中から照らすイメージそのまま執着せず、忘れて行動に戻る
これが最も重要なポイント:「点灯して、離れる」
この4ステップは、「意志の力」で押すのではなく、
“存在の姿勢”として放つ技法です。
🧭 今日からの活かし方
✔︎ 夜寝る前に、1日1回だけこの4ステップを行ってみる
✔︎ 未来のシーンは“完了形”で描写する(例:「できた」「味わっている」)
✔︎ 点灯後は「まぁ、なるでしょ」と軽く笑って寝るくらいがちょうどいい
プラットで照らし、そして手放す。
この“点灯して忘れる技術”こそ、タフティが教える現実操作の真骨頂。
“紙人間”から抜け出すための7つのレッスン
現実は創るものではない。選び、照らし、そして委ねるもの。
タフティが繰り返し語るこの原則を、ここまでで7つのレッスンに分けて学んできました。
🧠 Lesson 1〜7の超要約
Lesson | 学びの要点 | 覚えておきたい動作 |
---|---|---|
1|Two Screens | 2枚のスクリーンを“同時に見る”意識 | 内と外を同時観察する習慣 |
2|Walking in Your Dream | 人生はすでに撮影済みの映画 | “未来のシーンを選ぶ”意識 |
3|Welcome to Reality | 現実は“創らず、照らす”もの | 願望を点灯するマインドセット |
4|Observing Consciousness | 自分を見る意識が目覚めの鍵 | 合言葉:「私は自分を見ている」 |
5|Constructing Reality | 外的意図が現実を運んでくる | 意図の光を“照らして手放す” |
6|The Braid(三つ編み) | 意図は背中=三つ編みから放たれる | 三つ編みを意識するトレーニング |
7|How to Use the Plait | 未来を点灯させる4ステップ | 三つ編み → 映像 → 光 → 忘れる |
この7つのレッスンを通じて、
あなたは「反応するだけの紙人間」から、
“自分の現実を編集する生きた人物”への入り口に立った状態です。
🔜【次回予告】後編では「存在の質」と「現実との一致」へ進む
現実は、がんばって押し出すものではなく、“なりきる”ことで自然と動く。
後編(Lesson 8〜14)では、次のようなテーマを扱っていきます:
後編の見どころ(予定)
「反応」ではなく「演出」する人生とは?
重要性が現実を重くする、という逆説
“なりきる”ことが現実を固めていくメカニズム
“今ここ”にいることが、最大のパワーになる理由
外的意図を呼び込む「静かな確信」のつくり方
📥 あなたにできる、今日からの1ステップ
📌 1日1フレーム。未来を点灯してから眠ろう。
今日の夜、
あなたの中にある“なってみたい未来の一瞬”を映像で思い描き、
その映像にそっと意図の光を送ってから眠ってみてください。
それが、紙人間から卒業する第一歩です。
👇【後編はこちら】