3分名著シリーズ

『インプット大全』の要点+2025年時点の最新アップデートをまとめてみた【本 要約】

目次

ChatGPT時代に、もう一度「学び方」を見直そう。

『学び効率が最大化するインプット大全』。

このタイトルを聞いて、今さらインプット?と思った人こそ、読んでほしい。

情報があふれ返り、YouTubeもXもAIもあるこの時代。
「何を学ぶか」より、「どう学ぶか」のほうが難しくなっていませんか?

本書を書いた樺沢紫苑先生は、“日本一アウトプットする精神科医”。
メルマガ毎日、YouTube、Facebook毎日──
とにかく、続ける・出し続ける・形にし続ける“アウトプットの鬼”です。

そんな樺沢先生が、どうやって学んでいるのか?
どうすれば、脳に届き、行動につながるインプットができるのか?

本書には、実践的かつ科学的な“学び方の本質”が詰まっています。

しかも今は、ChatGPTや動画講義、リールや要約アプリなど、学びの手段も格段に増えました。
だからこそ、今回は本書の内容に加えて、2025年現在の最新のインプット術も交えながら、
学び方をいま一度見直していきたいと思います。

インプットの基本原則:「ただ読む」から「使う前提で学ぶ」へ

🔹 インプット=情報を“取り込むこと”ではない

「たくさん読んだのに、全然覚えてない」
「インプットしてるつもりだけど、何も変わってない気がする」

そんな経験、ありませんか?

それはもしかしたら、「インプットの本質」を見誤っているのかもしれません。

樺沢先生はこう言います。

インプットとは、「情報を受け取ること」ではなく、「使える状態にすること」である。

ただ読む、ただ聞く、ただ眺める――では、学んだことにはなりません。
アウトプットを前提にしたインプットがあってこそ、学びは血肉になります。


🔹 アウトプット前提の学び方:脳のスイッチが変わる

たとえば本を読むときに、

  • 「この内容、ブログに書こう」

  • 「この考え方、友達に話そう」

  • 「この一文、X(旧Twitter)で紹介したい」

そうやって“誰かに伝えるつもり”で読むと、
脳は「これは重要だぞ!」と判断して、記憶力・集中力をグッと高めてくれます。

これは脳内でノルアドレナリンアセチルコリンといった「集中ホルモン」が分泌される仕組みによるもの。
「やらされる勉強」より「教えるつもりの勉強」が深く残るのは、こういう脳の働きのおかげです。


🔹 スキャッタリング効果|“分散して学ぶ”ほうが定着する

最近の研究では、集中して一気に学ぶより、「少しずつ、散らして学ぶ」ほうが記憶に残ることがわかってきました。
これを「スキャッタリング効果」や「交互学習(インタリービング)」と呼びます。

たとえば…

  • 英単語 → 15分

  • 数学問題 → 15分

  • 世界史 → 15分

というように、ジャンルを切り替えながら小分けに学ぶほうが、
脳の記憶システムが「これは大事な情報だ」と認識しやすくなります。

同じ日、同じ教科をガッツリやるよりも、ちょっとずつ・複数回・いろんな角度からのほうが記憶に強く刻まれるのです。

これは日常学習や読書にも応用できます。


✅ 3つのインプット基本ルール【最新版まとめ】

ルールやることポイント
🎯 目標を決めてから学ぶゴール→やる理由→期限を明確に例:「半年後にTOEIC 700点」など
📣 アウトプット前提で読む・聞く「誰に話す?どう使う?」を意識脳の集中力が高まる仕掛け
🔄 分散して繰り返す小分けに学ぶ、日を分けて復習するスキャッタリング効果で定着率アップ

🗝️ ひとことまとめ

インプットは、受け取るだけじゃ足りない。
「使う前提」「散らして学ぶ」「繰り返して定着」──
その3つを意識するだけで、あなたの“学び効率”はガラッと変わります。

情報選びの目:「必要かどうか」で全部決まる

私たちは、1日に34GB以上の情報を浴びていると言われています(2020年 米国調査)。
スクロールすればニュース、X、広告、YouTube、Reel…情報が次々に押し寄せてくる。

でも、ちょっと待ってください。

それ、本当に「あなたに必要な情報」ですか?


🔹 情報の「質」は、“価格”じゃなく“目的”で決まる

「質の高い情報」というと、有料メルマガや高額セミナーを想像しがちですが、
樺沢先生の定義は明快です。

「あなたにとって、必要な情報」=質の高い情報

つまり、「今の自分にどう役立つか」「ゴールに近づけるか」がすべて。
子育て中なら育児情報、転職を考えてるなら職務経歴の書き方。
「あなたに必要」であれば、無料でもInstagramでも、立派な“質の高い情報”です。


🔹 情報を“捨てる”勇気:SNSスクロールは脳のノイズ

時間があればつい開いてしまうSNS。
でもその「なんとなく見たニュース」は、たいてい頭には残りません。

なぜなら──

  • 必要性が薄い(=脳が重要と判断しない)

  • 受け身の情報(=自分で選んでない)

  • 情報の洪水(=記憶に残す余地がない)

結果、脳はすぐ“忘れて”処理してしまいます。つまり、ただのノイズ

📌 対策ヒント

  • アプリ通知は「1日3回だけまとめて見る」ルール

  • Chrome拡張「Freedom」や「One Sec」でSNS制限もおすすめ

  • 情報が「集中力の敵」に回る前に、“仕組み”で遮断を


🔹 アンテナの立て方:「書き出すだけ」で情報感度が上がる

「自分が今、本当に知りたいことって何だろう?」

そう考えながら、紙に興味・関心キーワードを10個書き出してみてください。

  • ChatGPTの使い方

  • 自己肯定感の高め方

  • 朝活ルーティン

  • 海外移住の準備…などなど

すると、驚くほどそのテーマの情報が目に入ってくるようになります。
これは脳の「選択的注意(カラーバス効果)」という仕組み。
脳が“意識しているもの”に優先して注意を向けてくれるんです。

まるで、情報の世界に“検索フィルター”をかけたような感覚。
そしてそれは、「書く」ことで発動するのです。


🔹 補足:デジタル・ミニマリズムという考え方

Cal Newportの『Digital Minimalism』ではこう言います。

「テクノロジーは、“目的に合った使い方”をしないと、人生を奪う」

スマホやSNSは、敵でも味方でもありません。
大事なのは、「いつ・なにを・どこまで使うか」を自分で決めているかどうか。

今こそ、受け身のインプットを“選ぶインプット”へ切り替えるタイミングです。


本の読み方:全部読まなくていい。でも、深く届かせよう。

「本は、最初から最後まできっちり読むもの」
そんな思い込み、ありませんか?

結論から言うと、全部読まなくていいです。

大事なのは「記憶に残ること」と「行動に変わること」。
そのために本書では、2つの読み方を紹介しています。


🔹 ① パラパラ読み:拾い読みで“目的地”を先に探す

まずは目次をパッと見て、自分が興味あるパートをピックアップ。
気になるページから「拾い読み」してOK。

さらに、最初はページをパラパラとめくりながら、“ひっかかる言葉”だけを拾う。

これは脳科学的にも有効で、「全体を先に把握することで、その後の読みが深くなる」ことが分かっています。

💡 たとえば:

  • 「今の自分に必要なのはこの第4章っぽいな」

  • 「あ、この言い回し好きかも」
    という**“ひっかかり”を大事にしながら読書を進めると、読書体験の解像度が上がっていきます。


🔹 ② 深読み:「人に説明できるか」がカギ

樺沢先生の定義はシンプルです。

「その内容について10分語れるか」=深く読んだ証拠

たとえば、こんな状態が理想:

  • 本の内容を3つのポイントで説明できる

  • 読んだことを「自分の言葉」で言い換えられる

  • 会話の中で“例として出せる”

深く読むコツは、「この本の感想を、誰かに話すつもりで読む」こと。
読みながら、すでに脳が“使う準備”を始めてくれます。


🔹 補足:ChatGPTで本の要点を整理する技術

AI時代ならではの読書術も活用できます。

🛠 たとえば:

1. 本を読んだあと、自分なりの100文字要約を書く
2. ChatGPTに「この本について3つ質問して」と頼む
3. 質問に答えてみる or 逆にChatGPTの答えにツッコミを入れる

これだけで、「読んだだけ」だった本が、「対話した本」になります。
つまり、記憶に残り、行動につながる状態になるのです。


🗝️ ひとことまとめ

読書は、“全部読む”より、“活かせるところを拾う”ことが大事。
目的を持って拾い読みし、使うつもりで深く読む。
それが、情報に流されない読書術です。

学びを定着させる工夫:「3つの気づき」+「3つのToDo」で変化を加速させる

読書もセミナーも、インプットも。

「読んで終わり」「わかったつもり」では、何も変わりません。

大切なのは、気づいたことを行動に変えること。

そこで樺沢先生が提唱しているのが、“3+3法”です。


🔹 3+3法って何?

  • 本を読んだあとに「気づきを3つ」書き出す

  • その気づきを元に「今すぐできる行動(ToDo)」を3つ決める

  • 1週間後、またその本を読み返す

  • 再び「新たな気づき×新たなToDo」を書き、実践

  • それを繰り返す

というシンプルだけど、とてつもなく効果的な習慣です。


🔄 なぜ効くのか?

  • 「気づき」を書くことで、記憶に定着する(脳は「重要な情報」として保存しやすくなる)

  • 「ToDo」に落とし込むことで、行動が変わる(実践こそが学びの完成)

  • 再読することで、視点が変わる(1回目では見えなかったものが見えてくる)

樺沢先生はこの“再読”について、

「同じ本でも、読む自分が変われば、まったく違う本に見える」と表現しています。

まさに、読書が“アップデート装置”になる瞬間です。


🔹 アップデート:マルチモーダル学習で、記憶に深く刻む

最近の教育心理学では、「読む・書く・話す・聞く」を組み合わせて学ぶ“マルチモーダル学習”の効果が注目されています。
つまり、1つの感覚だけじゃなく、複数の感覚を使うことで記憶が深くなるということ。

たとえば:

ステップ方法学習の深さ
🧠 読む本・記事を読むインプット
✍️ 書く要点や気づきを手書きする記憶に残る
🗣 話す友人やSNSで伝える言語化・再整理
👂 聞く音声で再確認(音読・読み上げ)聴覚的強化

この組み合わせが、「気づいたけど忘れた」を防ぎ、「理解したうえで動ける」自分を作ってくれます。


💡 具体例:「インプット大全」の3+3を書くとしたら?

📌 気づき

  1. アウトプット前提で読むと記憶に残る

  2. 情報は「自分に必要か?」で取捨選択する

  3. 深く読むとは「説明できる状態」まで持っていくこと

✅ ToDo

  1. 次の読書は「誰かに説明するつもり」で読んでみる

  2. スマホの通知を一括管理に切り替える

  3. 読書メモを手書き+AIに要約してもらう

これを1週間やってみて、次にまた読めば「進化した自分」が見えてきます。


🗝️ ひとことまとめ

気づきは、書くだけでは終わらせない。
ToDoにして、実行して、再確認することで、“学び”が“変化”に変わっていく。


まとめ:「学び方」は、生き方に直結する

なんとなく見る。なんとなく読む。なんとなく覚えた気になる。

そんな“なんとなくインプット”があふれるこの時代にこそ──

学び方を見直すことは、「生き方を整えること」なのかもしれません。


📌 今日からできる、インプット再設計の5原則

原則内容
🎯 アウトプット前提で学ぶ脳の記憶装置が“本気モード”になる
🧠 情報は「目的」で選ぶ無駄な情報に振り回されない自分に
📖 読書は“深さ”と“速さ”を使い分ける必要なところだけ拾い、必要な部分だけ深く
✅ 気づき×ToDoで落とし込む行動に変えてこそ、インプット完了
🤖 AIも“対話相手”として使うChatGPTと学びを反復すれば、理解が定着する

🔗 最後に

もし、あなたが「もっと賢く学びたい」「もっと身につけたい」と思っているなら、
樺沢先生の『インプット大全』は、まさに“学びのOS”をアップデートしてくれる一冊です。

本記事で紹介できたのは、ほんの一部。
全80項目のノウハウを、ぜひあなた自身の言葉と経験で味わってみてください。

「なんとなく学ぶ」から、「意図して学ぶ」へ。
それが、あなたの人生を静かに大きく動かすきっかけになります。

  • この記事を書いた人

まっきー

「マキログ」は、身体を鍛え、心を整え、思考を磨く——そんな“日々の実験”を記録するブログです。 本の要約や海外インフルエンサーの翻訳を通して、内側から人生を整えていく感覚を綴っています。

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