3分名著シリーズ

変えられること、変えられないこと。その境界で、僕らは生きている。 ―『30代にしておきたい17のこと』から学ぶ

「これは、考えるタイミングなのかもしれない」

10月15日、Audibleで本田健さん著『30代にしておきたい17のこと』が聴き放題に追加された。

同時期にマーク・マンソンの“30代の現実”を語る動画がタイムラインに流れてきた。

偶然のようで、どこか必然のような重なり方だった。
まるで「そろそろ、自分の人生を見直す時期だよ」と言われているような気がした。

この数年、僕の30代は「選択」の連続だった。

結婚、転職、子育て、そして独立に向けて動き出そうとしている。

若くもない。けれど、もう遅いわけでもない。

その曖昧な中間点で、僕は“自分の人生をどうデザインするか”という問いに、静かに立ち止まっている。

そして思う。

このタイミングでこの本が耳に届いたのは、「今の自分に必要な言葉だから」なのかもしれない。

本田健が語る、“30代という転機”

『30代にしておきたい17のこと』の核心はこうだ。

「人生の90%は30代で決まる。」

20代は、勢いで走り抜けられる。
40代は、もう取り戻すのが難しくなる。
30代はそのちょうど中間にある、“最後の再設計のチャンス”だ。

僕らはまだ、本気を出していないだけかもしれない。
そう思いたくなるような現実を直視しながら、それでも、もがき続けるしかない。

「仕事」「家族」「お金」「夢」。
ひとつも正解が見えないまま、なんとかバランスを取りながら進んでいく。

そんな不安定さを抱えたまま生きるのが、僕ら30代だと思う。

「どうせ無理だ」と思っていませんか?
でも、その“限界”を決めているのは、自分自身だ。
だからこそ、30代は“信じ直す10年”でもある。

自分を信じることは、盲目的なポジティブシンキングではない。
“もう一度、立て直せる”という不確かな意志を持つことだ。

そしてこの10年は、ただ耐える時間ではなく、
もう一度、自分の人生をデザインし直すための時間でもある。

この再設計のチャンスを、僕と一緒に描いていきましょう。

変えられることと、変えられないことの違いを知る

「変えられることと、変えられないことの違いを知る。」

歳を重ねていくと、世の中は“変数”だらけだと気づく。

仕事一つとっても、外的要因(景気・上司・環境)もあれば、内的要因(モチベーション・体調・家族の状況)もある。
そこに自分の頑張りやスキルも加わってくる。

それらの中で、何を変えられて、何を変えられないのか。
その見極めが、思っている以上に大切だ。

こと“人生単位”になるとどうだろう。
変えられないものにエネルギーを注いで、
変えられることを見逃してしまっている自分はいないだろうか。

他人の評価は変えられない。
でも、自分の在り方や挑戦の仕方は変えられる。
―結局、“コントロールできる範囲”を知ることが、自由への第一歩なんだと思う。

30代になると、人生のスピードも責任も増す。

仕事も家庭も、若い頃のように“簡単にリセット”できない。

だからこそ、「すべてを変えよう」とする完璧主義を手放すことが、次のステージへの“成熟”なのかもしれない。

“変えようとする勇気”と、“受け入れる覚悟”。
その両方を持てたとき、ようやく自分のペースで生きられる気がする。

お金との向き合い方、自分の居場所

“変えられること”と“変えられないこと”について考えていくと、
僕の経験上、マインドの変化が少しずつ起こる。

静かに考える時間が増えたその内省の中で見えてくるのは、
「現実とどう折り合いをつけるのか」ということだ。

仕事、お金、人間関係、環境
どれも思い通りにはいかない。

それでも、その中で「どう生きるか」を選び直すことが、
30代という時期に与えられた特権なのかもしれない。

お金と真剣に向き合う

お金と真剣に向き合うというのは、
ただ貯めることや増やすことではなく、
「何のために稼ぎ、何に使うか」を自分に問うことだ。

“お金の使い方”には、その人の人生観がそのまま表れる。
時間を買うのか、安心を買うのか、挑戦を買うのか。
お金は単なるツールではなく、生き方を映す鏡だ。

40代になってしまうと、その先の行く末が見えてしまう。

30代にいくら稼いで、いくら使うのか、ということが
その人のお金の人生を決める

自分の居場所を見つける

そしてもうひとつは、自分の居場所を見つけること。
会社や役職、SNSの数字ではなく、
“素の自分”でいられる場所。

誰かに認められるためではなく、
自分が呼吸できる空間を見つける。
それだけで、心の使い方も変わっていく。

居場所が見つかると、不思議とお金の向き合い方も変わる。
「稼ぐための努力」から、「生きるための創造」へ。
お金も居場所も、“生き方”の一部としてつながっていく。

そしてこの静かな内省の先に、
ようやく見えてくる。

「じゃあ、自分は何を軸に働きたいのか?」
「自分の才能を、どこで誰のために使いたいのか?」

再設計のはじまり ― 「生き方」をつくるということ

この章では、本田健さんが繰り返し語っていた“可能性”の話が印象的だった。

本田健さんの書いた他の書籍にも可能性の話はたくさん出てくる。

それは、自分の人生をもう一度デザインし直す力の話でもある。


人生の目的を知る

「人生の目的を知る」とは、
自分の才能をどこに使うかを選ぶこと。

多くの人は、「やりたいこと」を探そうとする。
でも本田健さんは、“何をするか”よりも“どこで誰のために使うか”を問う。

目的は遠くにあるものではなく、
日常の中で“心が少し動く瞬間”に宿っているのかもしれない。

僕自身も、結婚・転職・子育て、そして独立を考える中で、
ようやく少しずつ輪郭が見えてきた気がする。

「好き」と「誰かの役に立つ」が重なる場所。
それが、自分の“中心点”になる。

そこを見つけると、
人生は“何を選ぶか”ではなく、“どう使うか”のフェーズに変わっていく。


才能の掛け算で勝負する

「才能は、掛け算で活かすもの。」

1つの才能で勝負しようとすると、世界は狭い。
でも、“過去・経験・興味・情熱”を掛け合わせれば、
それは自分にしか作れないオリジナルになる。

たとえば、
過去の挫折 × 興味 × スキル = 誰かの支えになる力。

「完璧な一点」ではなく、「不完全な組み合わせ」の中に、
本当の個性は隠れている。


30代というのは、“自分の資産”が静かに積み上がっていく時期だ。
その中で、自分のパーツをどう組み合わせるか。
それこそが、人生の再設計なのだと思う。

誰かのようになろうとしなくていい。
自分の中の断片を集めて、
“自分だけの地図”を描けばいい。

17のことを、自分の言葉で分けてみる

本書の17項目は、単なるチェックリストではなく、
人生の軸を整えるための「意識の棚卸し」だと思う。

僕自身も30代を折り返してみて、
“何を変えるか”よりも、“何を大切に残すか”を考えるようになった。
だから今回は、聴いていて特に印象に残った項目を、
4つの視点から整理してみた。


🪞自己認識・覚悟系

自分を見つめる勇気が、すべての出発点になる。

  • セルフイメージを定期的にチェックする
     自分を“できる・できない”で縛っていないかを見直す。

  • 自分の中に潜むダークな自分と出会う
     見たくない感情を否定せず、抱きしめて受け入れる。

  • すべてを手に入れることは不可能だと知る
     選ぶことは、手放すことでもある。

  • 変えられることと変えられないことの違いを知る
     変数が増える30代だからこそ、コントロールできる範囲を見極めたい。

― ここを整理できるかどうかが、“生き方の質”を決める気がする。


🫶人間関係・家族・親子系

一番近くにあるものほど、後回しにしてしまう。

  • 両親とお別れしておく(感謝を伝える)
     “元気なうちに伝えるありがとう”は、いつでも少し照れくさい。

  • パートナーや子どもを持つかどうか決める
     誰と生きるか、どんな形を選ぶか。これは「人生観の表現」そのもの。

  • 年齢の離れた友人を持つ
     時間の流れを俯瞰する“縦の人間関係”が、思考の幅を広げてくれる。

― 血縁や肩書きを越えた“関係性の深さ”が、人生の支えになる。


💼仕事・居場所・コミット系

30代は、「どこに根を張るか」を決める時期。

  • 自分の居場所を決める
     “会社”ではなく、“自分がエネルギーを注げる場所”を選ぶ。

  • お金と真剣に向き合う
     お金はツールではなく、“生き方の投票券”だと気づかされる。

  • 人との付き合いと学びにお金を惜しまない
     “損得”より“循環”を意識すると、仕事の景色が変わってくる。

― 働くことは、稼ぐこと以上に「どう在るか」を問う営みだと思う。


🌙死生観・覚悟系

“終わり”を意識したとき、ようやく“今”が始まる。

  • 自分の死をイメージし、お葬式の弔辞を書いてみる
     “誰に何を残したいか”を考えることは、
     “これからどう生きたいか”を決めることでもある。

― 弔辞を書くという行為は、未来への誓いなのかもしれない。

僕はわりと普段から「死」についてよく考える方だと思う。

死にたいというより、生きたいから考えている。

今回、この本を聴いて実際に弔辞を書いてみた。

「7つの習慣」にも終わりを思い描くことから始めるという習慣があるように
最期を意識するのは本当に大事なことだと改めて思った。

どう実践するか ― 17項目の“選び方”

正直、17個すべてをやろうとすれば、逆に何も変わらない。
人生は「チェックリスト」じゃなく、「体験の積み重ね」だから。

だから僕は、こう決めた。
心が動いたものだけでいい。

人生を変えるのは“全部”ではなく、“ひとつの気づき”だ。

響いた項目をひとつ選んで、
そこから1ヶ月、ほんの少し意識を向けてみる。
完璧じゃなくていい。
小さな実験で十分だ。

気づきは“行動の中”でしか形にならない。
考えることと動くこと、その往復の中で少しずつ世界が変わっていく。


💡無理なく実践するための工夫

  • 月に1回、「セルフイメージの棚卸し」をノートに書き出す

  • 親に「ありがとう」とLINEを送る

  • Audibleを通勤・散歩中に聴く

  • 気になった項目を月1テーマで“小さく実験”する

  • 「やらなかった後悔」より「試して違った後悔」を選ぶ


忙しい30代には、“完璧にこなすこと”よりも、
“立ち止まって考える時間”のほうがずっと価値がある。

そして本田健さんの言葉を借りるなら、
この10年は「未来を再設計するための実験期間」だ。

今日できることを、小さく始める。
その連続が、やがて“生き方のデザイン”になっていく。

 “この10年”を、デザインする

30代は、「全部を手に入れようとして、結局どれも掴めない」時期でもある。

でも同時に、「自分の生き方を選び直せる最後の10年」でもある。

この本を聴いて思ったのは、
“正解を探す本”ではなく、“地図を描き直す本”だということ。

30代というのは、
「過去の自分」と「これからの自分」のあいだで揺れながら、
新しい道を描いていく時間だ。

人生の90%がこの10年で決まるなら、
迷いながらでも、ここから描き直せばいい。

完璧じゃなくていい。
不安でも、立ち止まってもいい。
大事なのは、もう一度“自分で選ぶ”こと。

この10年をどう生きるか。
それが、これからの自分を決めていく。
created by Rinker
¥550 (2025/10/28 18:01:22時点 Amazon調べ-詳細)

🎧Audibleで聴くという選択

耳で聴くと、不思議と「自分への手紙」に聞こえる。

仕事・家事・育児の合間でも、心に残る一言がある。

もしこのタイミングで出会ったなら、それは“今聴くべき時”なのかもしれない。

Kindle Unlimited・Audible・flyer の比較表

読書をお得に楽しむ方法! 

「本を読む時間がない…」「買う前に内容を知りたい…」
そんなあなたには 3つの選択肢 があります!

Kindle Unlimited なら 月額980円で200万冊以上が読み放題!

Audible なら プロのナレーションで耳から学べる!

flyer なら 10分で本の要点をサクッと理解!


Kindle Unlimited・Audible・flyer 比較表

サービス特徴無料体験料金
 Kindle Unlimited200万冊以上が読み放題30日間無料月額¥980
 Audibleプロの朗読で耳から読書30日間無料月額¥1,500
 flyer10分で本の要点を学べる7日間無料月額¥550〜

どれが自分に合う?選び方のポイント!

じっくり読みたいなら →Kindle Unlimite

スキマ時間に聴きたいなら →Audible

要点だけサクッと知りたいなら →flyer

\ まずは無料で試してみよう! /

  • この記事を書いた人

まっきー

「マキログ」は、身体を鍛え、心を整え、思考を磨く——そんな“日々の実験”を記録するブログです。 本の要約や海外インフルエンサーの翻訳を通して、内側から人生を整えていく感覚を綴っています。

-3分名著シリーズ