3分名著シリーズ

“自分を信じる力”が人生を変える理由とは?『うまくいっている人の考え方 完全版』【本 要約】

「このままでいいのかな?」と思いながら、生きていないか

 

気づけば、自分よりまわりを優先していた。
誰かの期待に応えようとして、本音を後回しにしていた。
「ちゃんとしてるね」「偉いね」って言われるたびに、どこか苦しくなっていた。

だけど、ある日ふと立ち止まってしまった。
この生き方って……本当に、自分の人生なんだろうか?

そんなときに出会ったのが、『うまくいっている人の考え方 完全版』だった。

1999年の初版から20年以上。
いまもなお多くの読者に読み継がれ、“人生のバイブル”とさえ呼ばれるこの本は、
「自分をどう扱うか」で人生は静かに変わっていく——そう教えてくれる本だった。

読んでわかった“うまくいっている人”の共通点

この本に出てくる成功者たちは、決して完璧ではない。
むしろ不安も迷いもある中で、“ある1つの共通点”を持っていた。

それは、自分にこう言えること。

「私は、自分を大切にしていい」
「私は、自分の人生を生きていい」

自己肯定感や、自信なんて言葉よりもずっと根底にある、
“自己信頼”という感覚。

それを育てるためのエッセンスが、本書にはたくさん詰まっていた。

この本を通して、僕自身も「自分を扱う言葉」「判断の軸」が少しずつ変わってきました。
そして何より、「他人の評価」よりも「自分のご機嫌」を優先できるようになってきた気がします。

次章からは、各気づきをストーリーとともに深掘りしていきます。
まずは最初の一歩として、「自分を大切にする」とは何かを一緒に考えてみましょう。

自分を大切にするとは、“自分を信じること”だった

「自分は最高の人生を送る資格のある人間だ。」

「もっと優しくなれたのに」「また失敗した」「ちゃんとしなきゃ」

——そんなふうに、誰よりも自分に厳しい言葉を投げていないだろうか?

僕自身、何かうまくいかないことがあると、いつも最初に自分を責めていた。
それは一見「向上心」に見えるけれど、本書を読んで気づいた。

それって、「自分はダメだから、もっと努力しなきゃ」という前提に立っていたのだ。

けれど本当に必要だったのは、努力よりもまず、
「このままの自分でも、大切にされていい」
という土台だった。

自尊心は、“最初から持っていていい”

『うまくいっている人の考え方』の中では、自尊心をこう捉えている。

自尊心とは、「自分には価値がある」と感じる感覚である。
それは実績によって得られるのではなく、「そう信じること」から始まる。

この言葉に、僕は少し救われた。

つまり、

  • 「まだ◯◯できていない自分」でも

  • 「何者にもなれていない自分」でも

  • 「落ち込んでばかりの自分」でも

“それでも価値がある”と信じていいのだ。


まず、誰よりも自分に「OK」を出してあげる

ある日から、試しにこんな言葉を習慣にした。

「今日はなんだか冴えなかったけど、よくやったね」
「落ち込んでたけど、ちゃんと向き合っただけでも偉い」
「本音を飲み込んだけど、無理はしてない?」

それはまるで、小さな子どもに声をかけるような、やわらかい言葉だった。

でもその積み重ねが、自分との関係を変えてくれた。
「もう少し優しくしてもいいんじゃない?」と、ようやく思えた。


“自分を大切にする”3つの練習

本書では、自尊心を高めるために以下の3つの習慣を勧めている。

  1. あるがままの自分を受け入れる
     →「もっと◯◯だったら…」という言葉が浮かんだとき、「今のままでも大丈夫」と言い直してみる。

  2. 他人の評価を手放す
     →SNSの「いいね」、上司の顔色、親の期待……一度全部脇に置いてみる。

  3. 自分だけの時間を確保する
     →10分でもいい。「誰にも評価されない」「ただの自分」でいられる時間を持つ。


自己信頼の始まりは、“自分と仲直りする”こと

かつての僕は、「自分を好きになる」って、すごく難しいことだと思っていた。

でも本書が教えてくれたのは、
「まず、自分と仲直りすること」の大切さだった。

過去の失敗も、不器用さも、頑張りすぎたことも、
ぜんぶ抱えたままでいい。ただ、その自分を責めないでいてあげること。

「大丈夫だよ」って、ひとりごとのように呟くだけでもいい。

そうやって、自分を大切に扱いはじめたとき、
少しずつ世界の見え方が変わってくる。

「人の人生」ではなく、「自分の人生」を生きる勇気

「そろそろ自分の夢を追い求める時期に来ているのではないだろうか。」

「本当はやりたいことがある。でも、今さら…」

「こうしたいけど、あの人にどう思われるだろう…」

そんなふうに、“誰か”の視線に人生を明け渡していないだろうか。

『うまくいっている人の考え方』は言う。

自分の価値観に従って生きなければ、
どんなに成功しても、心のどこかで「間違っている」と感じるようになる。

耳が痛かった。
僕はこれまで、たくさんの「人の人生」を代わりに生きてきた気がする。

「人にどう思われるか」より、「自分がどう感じるか」

たとえば転職のこと。
「安定してるんだから」「もったいないよ」——いろんな声が頭に響く。

でも、その仕事を毎日やるのは誰か?
“それが好きかどうか”を感じているのは誰か?

——それは、自分以外にいない。

周りがどう言うかよりも、自分の心がどう感じているか。
そこにちゃんと耳を澄ませるのが、「自分の人生を生きる」ということなのかもしれない。


小さな“選択”から、自分を取り戻す

本書ではこう言われている。

「あなたの人生は、あなたのものだ。
他人にどう思われるかは、あなたの責任ではない。」

なんてシンプルで、なんて難しい言葉だろう。

だから僕は、大きな決断を変えるのではなく、日々の小さな選択を変えるところから始めた。

  • 「気が乗らない誘い」を、丁寧に断る

  • 「本当はこうしたい」と思ったことを、小さく実行する

  • 「誰かの目」より、「自分の心地よさ」を優先する

最初は怖かった。
でも、不思議と、誰からも嫌われなかった

むしろ、「自分らしくなったね」と言ってくれる人もいた。


 “自分の人生”を生きないと、どうなるか?

これは僕の実体験なのだけれど。

昔、親の期待通りの進路を選んだことがある。

でも、ずっとどこかで「これじゃない」と思っていた。

だから、どれだけ頑張っても、どこかで心が動かなくて、燃え尽きてしまった。

振り返って思う。

自分の意思で選んだことじゃなかったから、責任も愛着も持てなかったのだ。


自分の人生を生きるとは、「選び直す勇気」を持つこと

『うまくいっている人の考え方』は、こう問いかけてくる。

「あなたが本当にやりたいことは、何ですか?」

それは、壮大な夢じゃなくてもいい。

  • もう一度会いたい人
  • やってみたい趣味
  • 書いてみたいSNSの投稿

そういう小さな「本音」を拾い上げていくこと。

そして、今日からもう一度、選び直す勇気を持つこと。
その繰り返しが、“自分の人生を生きる”ということなんじゃないかと思う。

人生は“選択”でできている。今日の選びが、未来を変える

「いい人生をつくるには、一つひとつの選択を大切にし、良い選択をすることだ。」

『うまくいっている人の考え方』の中でも、ひときわシンプルで重い一文だった。

この言葉を読んで、自分の毎日が“無数の選択”でできていることを、あらためて実感した。

朝、アラームを止めて二度寝するか起きるか。
仕事のあと、スマホをダラダラ見るか、運動するか。
誰かに不満をぶつけるか、感謝を伝えるか。

どれも小さな選択。だけど、それが積み重なって、1年後の自分をつくっている。

迷ったときは「5つの選択基準」に立ち返る

本書では、良い選択をするための“判断軸”が紹介されている。

それがこちら

賢明な選択をするための5つのルール

  1. 気分が良くなる選択をする
  2. 他人が変わることを期待しない
  3. 自分の幸せを優先する
  4. 他人に責任を押し付けない
  5. 誰も不幸にならない選択をする

 特に大切にしたい、2つの選択軸

■ 自分の“気分”を優先すること

「どっちが正しいか?」ではなく、「どっちが気分よくいられるか?」で選ぶようにすると、心の摩耗が減った。

例えば仕事でも、「完璧な成果」より「自分も納得できるやり方」を選ぶ。

人間関係でも、「無理に笑顔で接する」より「丁寧に距離を置く」ことを選ぶ。

正しさより、自分の感覚。
それは決してわがままじゃない。

■ 他人を変えようとしない

つい、「あの人がもっと気をつけてくれたら」とか、「こうしてくれたらいいのに」と思ってしまう。

でも、他人を変えることはできない。変えられるのは“自分の反応”だけ。

それを知ってから、無駄にイライラしなくなった。


「この選択は、1年後の自分を幸せにするか?」

僕がいま、習慣にしている問いがある。

それが、「この選択は、1年後の自分を幸せにするか?」というもの。

今日の食事、今日の行動、今日の言葉。

そのひとつひとつが、未来の自分につながっているとしたら。

一瞬でラクな方じゃなくて、「ちょっとがんばるけど、気分のいい方」を選びたくなる。


“選択”が変わると、“人生”のレールが静かにズレる

本書は、こう語りかけてくる。

「どんな状況にあっても、あなたには“選ぶ力”がある」

それはつまり、
✔ どんなにうまくいっていないと感じても
✔ どんなに環境が悪くても
✔ 誰かに傷つけられたあとでも

——自分の未来を選び直すことは、いつでもできる。

人生は、大きな選択じゃなく、小さな選択の積み重ねでできている。

そのことを忘れずに、今日という1日を、自分にとって心地いい方向へ選んでいきたい。

「うまくいく人」は、特別な人じゃない。ただ“自分を信じた”だけ

「うまくいっている人の共通点は、自己信頼である」

本書の冒頭にあるこの言葉を、あなたはどう受け取るだろうか?

自己信頼、つまり「自分ならできる」「自分には価値がある」と信じる力。

自己啓発っぽく聞こえるかもしれないけど、読み進めるうちに、それが“いちばんの土台”であることが、じわじわとわかってくる。


自己信頼がある人は、行動が違う

自己信頼のある人は、失敗を「ダメな証拠」じゃなく「挑戦の証」と受け取る。
他人と比べず、自分のペースで進む。
やらかしても、立ち上がることができる。

つまり、自己信頼があるだけで、人生に“しなやかさ”が生まれる。


自己信頼を育てる3つの方法

①「自分との約束」を守る

たとえ小さなことでも、「やろう」と決めたことをやる。

  • 朝起きたらストレッチする
  • 今日だけは人の悪口を言わない
  • 毎日5分は本を読む

たったこれだけのことでも、ちゃんと続けられれば「自分って信じていいかも」と思えてくる。

② 失敗を“人間らしさ”として受け入れる

「できなかった自分」を責めるより、「そんな日もあるよな」と認めてあげる。

完璧じゃなくていい。むしろ、失敗も含めて自分を許せる人が、最後に強くなる。

③ 自分の“よさ”に気づき、言葉にする

自己信頼を育てるには、「自分にはこんな価値がある」と意識する時間が必要。

本書では、こういう問いかけが紹介されていた:

  • 自分が得意なことは?
  • 周りからよく褒められることは?
  • 今までの人生でうまくいった経験は?

紙に書き出して、眺めるだけでも心が整う。
「自分には信じられる理由がちゃんとある」と、思い出せるから。


自信は、与えられるものじゃなく“育てるもの”

僕たちはつい、「自信がついたら挑戦しよう」と思ってしまう。

でも、本当は逆で、挑戦するから自信がつく。

自信があるからやるんじゃない。
やってみるから、自信が育つんだ。

『うまくいっている人の考え方』が繰り返し伝えているのは、
「自己信頼とは、行動の中で磨かれるもの」だということだった。

“うまくいっている人”は、思考の選び方が違う

『うまくいっている人の考え方 完全版』は、「成功する人は、特別な能力があるからじゃない」と教えてくれる本です。

彼らがしているのは、

「日々の選択において、自分を大切にするほうを選んでいる」

それだけなんです。


本書から得られる3つの核心

  1. 自分を大切にする
     → あるがままの自分にOKを出し、丁寧に扱う。

  2. 自分の人生を生きる
     → 他人の期待より、自分の“声”に従って進む。

  3. 思考の選び方を変える
     → ネガティブよりポジティブ、批判より承認、過去より今を選ぶ。


最後に、問いをひとつ。

あなたは今日、どんな考えを“選びますか?”

誰かに気を遣いすぎて疲れてしまう日も、
失敗して落ち込みそうになる夜も、
心の中でこうつぶやいてみてください。

「うまくいっている人は、こんなときどう考えるだろう?」

その問いが、きっと思考の選択肢を広げてくれます。


成功は、行動の結果。
でもその行動は、思考から始まっている。

だからこそ、
「うまくいく人の考え方」から学ぶことは、
人生の土台をつくり直すような体験になるのです。


📕 書籍情報

  • 書名:『うまくいっている人の考え方 完全版』
  • 著者:ジェリー・ミンチントン
  • 出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 特徴:自己肯定感、自尊心、成功の思考法に関するショートエッセイ形式

あなたにできる今日の一歩

  • 小さな自分との約束を守ってみる
  • 自分の「よさ」を3つ書き出してみる
  • 他人ではなく“自分の基準”で1つ選択をしてみる

この記事が、少しでもあなたの思考をやさしく整えるきっかけになれば嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

  • この記事を書いた人

まっきー

「マキログ」は、身体を鍛え、心を整え、思考を磨く——そんな“日々の実験”を記録するブログです。 本の要約や海外インフルエンサーの翻訳を通して、内側から人生を整えていく感覚を綴っています。

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