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生成AIの進化、今どのフェーズ?
2025年も折り返し地点に差し掛かり、生成AIは「すごいことができる」段階を越え、
“日常や仕事にどう組み込むか”というフェーズへ突入しています。
先週(6月22日〜28日)は、主要5社から一斉にプロダクトの進化・新機能リリースが発表されました。
本記事では、それらを時系列で整理しながら、
何が新しくなったのか
それは私たちにどう関係あるのか
を、実務目線/生活目線で読み解きます。
🔹6月24日|OpenAI:ChatGPT Enterprise/Eduの機能強化
🆕 アップデート内容:
📁 プロジェクトに添付できるファイル上限が 20→40 件に倍増
⚡ 「Priority Processing」導入:APIやチャット応答の処理速度を優先的に高める従量課金オプション
✅ 何が変わるのか?
ChatGPT Enterprise や Eduプランのユーザーにとって、
大量の資料を横断して読み込ませたり、RAG(検索補助)の精度向上が期待できます。
たとえば、
社内会議の議事録+報告資料+過去マニュアルなど40ファイルを横断して要約
大学の研究室で、過去文献や実験ログを読み込ませて一括比較と考察
という使い方が現実的に。
🔹6月25日|Microsoft:Copilot Visionがモバイルに登場
🆕 アップデート内容:
📱 Copilot Vision(カメラ認識AI)を米国で公開開始。グローバル展開も数週間以内に予定
💻 Windows版はDevチャネルにて配布、7月中旬までに主要地域展開予定
🧠 Deep Research(調査支援)や Copilot Actions(自動化機能)の国際展開も強化
✅ 何が変わるのか?
スマホでCopilotアプリを開き、「見せるだけでAIが理解・説明・提案」してくれる未来が現実に。
たとえば:
外国語の看板をカメラで写して、その意味と背景文化を解説
壊れた機械の部品を見せて、交換部品を特定+発注サイトを提示
生成AIが“目”を持ち始めたことで、「言葉だけでは伝えにくいもの」もAIに伝えられるようになります。
🔹6月25日|GitHub Copilot × Claude 4:選べるAI時代へ
🆕 アップデート内容:
🤖 GitHub Copilot Chat に Claude Sonnet 4(全有料)/Claude Opus 4(Pro+Enterprise)が正式搭載
🎛 モデルを GPT → Claude に切り替えて使用可能
🖼 Claude Vision(画像入力)もプレビュー機能として限定解放
✅ 何が変わるのか?
これまで Copilot といえば GPT 系がメインでしたが、今後はClaude 派も VS Code やモバイルアプリ上で開発・執筆が可能に。
たとえば:
GPT-4ではコードは速いがやや雑、Claudeでは論理が丁寧……などのモデル間比較と使い分けができる
画像を送って、「このエラー画面、何が問題?」と聞く使い方も試験的に可能
“AIを選ぶ”という発想が、エンジニア以外にも求められる時代に入りつつあります。
🔹6月25日|Google Gemini CLI:自然言語で“黒い画面”を操る時代
🆕 アップデート内容:
💬 Gemini CLI(コマンドライン・インターフェース)を無償プレビュー提供開始
🧠 Gemini 2.5 Pro モデル(最大100万トークン)を直接呼び出し可能
🔁 ファイル操作・コード生成・リサーチなどを自然言語でターミナル操作できる
🎁 無料枠:1日1,000リクエスト分
✅ 何が変わるのか?
「コマンドライン(CLI)」はこれまで中上級者の世界でしたが、
自然言語でAIがコマンドを生成してくれるため、初心者でも“黒い画面”を活用できるように。
たとえば:
「このフォルダの中にあるPDFを全部要約して、1つのMDファイルにまとめて」
「環境変数に影響してる設定ファイルを探して修正して」
という指示を英語 or 日本語で話しかけるだけで実行可能。
今後、エンジニアと非エンジニアの境界線が曖昧になる大きな転換点になるかもしれません。
🔹6月27日|xAI「Grok 4」:7月公開へ
🆕 発表内容:
🧠 Grok 3.5 をスキップし、「Grok 4」を7月4日以降に公開予定とイーロン・マスクが発表
🚀 GPT-4やClaude Opusに対抗する“フロンティアモデル”としてリリース予定
🛠 専用コーディングエンジン搭載/推論性能の大幅向上が予告されている
✅ 何が変わるのか?
現時点で日本語の扱いは未知数ですが、GrokはX(旧Twitter)と連動しており、
リアルタイムの投稿を検索/分析/まとめる
特定の分野に特化した対話が可能になる
など、独自の強みを活かしてくる可能性があります。
GPT-5やClaude 5の噂もある中で、この夏は「モデル比較」の熱が再燃しそうです。
🧩 最後に|これらのニュースが示す3つの流れ
生成AIは“使われるもの”から“使い分けるもの”に進化
非エンジニアも“自然言語でプログラムを操る”時代に突入
「スマホにAIがいる日常」がすぐそこに
📣 これからどう使う?
Claude/GPTの両方に触れて“得意領域”を把握する
自分の仕事や副業にGemini CLIの自動化を組み込んでみる
ChatGPT Enterpriseの無料トライアルなどで業務効率化を検証してみる
「AIに使われる」のではなく、「AIを味方にする」側へ。
今週のアップデートはその第一歩となりそうです。